栃木県宇都宮市
オートバイ・バイク総合修理・販売

ガソリンについてのまじめなお話

現在エンジンをオーバーホールしている車両。

不調の原因は大量に堆積したカーボンです。

ピストンとピストンリングは新品に交換。

バルブはこんな酷い状態でした。

これ、インレットバルブ(吸入側)ですよ!

ただ単に燃え残ったカーボンじゃなさそうな感じです。どんな燃料入れていたんだか。。。

インジェクションのバイクでこれは異常です。

綺麗にカーボンを落として組み直します。

 

以前、ガソリンの質について書かせて頂きましたが、かなり時間が空いたので再度投稿させて頂きます。

結構長い内容になりますので、今のうちにトイレを済ませておいてください。

 

普段バイクや車に入れているガソリン。レギュラーとハイオクの2種類があります。

ハイパワーなスポーツバイクなどはハイオク指定だったりします。

とうことは、

私のレギュラー指定のバイクにもハイオク入れたらパワー上がんじゃね??

って思ったあなた。

 

×です

 

ハイパワーなエンジンは圧縮比が高い、いわゆる高圧縮エンジン。

また、高回転まで回る設計のエンジンが搭載されているスポーツバイク。

どちらもハイオク指定です。上記のようなエンジンはとても熱くなります。

物質は温度が上がると火種が無くてもそれ自身が燃え出します。自然発火というやつですね。

エンジンはガソリンの燃えるタイミングが緻密に計算されておりますので自然発火しちゃダメなんです。本来の点火タイミングと違う自然発火をノッキングと言います。ノッキングにも種類がありますのでググッてみてください。

 

したがって、ハイオクは自然発火しにくいように燃えにくいんです。

(注:レギュラーガソリンに比べて燃えにくいという意味です)

 

つまり、エンジンに合っていないガソリンを入れることは、本来の性能を発揮できないばかりか不完全燃焼や異常燃焼による弊害も引き起こします。

 

問題はエンジンがどれだけ熱くなるかってことなので、ハイオク指定の車両でも回転を回さずにおとなしく走ってばかりだと、やっぱりちゃんと燃えずにカーボン溜まります。

カーボンが溜まると始動性が悪くなったりアイドリングが不安定になったりします。さらに症状が進行するとエンジンが掛からなくなってしまいます。

予防するために、たまにはパワーバンドに入るくらいまでエンジン回転を回してあげてください。

 

2000年代に入ってからの排出ガス規制により、多くの車両は燃料の吐出量を減らして、更にパワー減させないように高圧縮になっています。だからハイオク指定なんですね。ハイオク指定だからといって必ずしもハイオクが良いわけではありませんのでご注意ください。

 

最近なんだか調子が悪いんだよなぁ~って車両はもしかしたらカーボンが蓄積してしまっているかも知れません。

そんな車両にオススメなのがこれ!

効果てきめんです。

 

ハイオク入れないけど要注意なのが50ccのスクーターです。

通勤や通学に使用するので、暖機運転をしないで走り出してしまう人が多いようです。

エンジンを始動してから温まるまでの数分は燃料が濃く噴射されています。その状態で走ってしまうとカーボンが溜まりやすくなります。実際、そのことによる不具合の発生と注意がメーカーから発表されておりますので必ず暖機運転してください。

通勤や通学で使うことが多いスクーター。朝そんな時間も勿体無い!という方は上記のフューエルワン入れることをお勧めいたします。常に入れ続けるわけではありません。たまにで大丈夫ですよ、たまにで。

 

ここまで、レギュラーとハイオクの違いを書かせて頂きましたが、じゃぁ、レギュラーならどこのスタンドでどの銘柄入れても同じなのでしょうか。

 

 

驚くことにこれが全く違います。

 

 

私は普段出光で給油しています。

通勤に使っている乗用車は50リットルで400km走れます。リッター8kmですね。

ある時、いつもと違うスタンドで給油したら350kmしか走れませんでした。

 

あれ?そんなに燃費悪くなるような走り方したかな?

 

不思議に思ったので再度同じスタンドで給油しました。

やっぱり350kmしか走れません。

 

ここで確信。絶対燃料のせいだ!!って。

 

その後、いつも通りの出光スタンドに戻したら無事に400km走れました。

 

自動車はエンジンを回す力(トルク)が大きいので、多少の不調ならエンジンが止まってしまうようなことはあまりありません。

 

が、バイクは自動車に比べてトルクが小さい。

つまり、不調だと止まっちゃう&掛からない可能性が高くなります。

これは排気量が小さいほど顕著になります。

 

給油後、帰宅途中でエンジンが止まってしまった250ccのスクーター。引き上げてきて燃料を入れ替えたら何事も無くエンジン始動ってこともありました。給油したのは安さを売りにしたスタンド。燃料安く入れても燃費落ちたり修理代掛かっちゃったら高くつくことになっちゃいますね。

安い物には安い理由があるんだし、高品質のものが安いわけ無いですよね。

 

良い銘柄ってことで出光さんのお名前を出しましたが、オススメ出来ない銘柄はここでは伏せさせていただきます。評論家ではありませんので良い物だけを発信します。

 

良いとオススメできる銘柄は私の独断ではありません。

某自動車メーカーの開発テストで燃料も検査しているらしく、ちょっと情報を頂けました。

2社のお話を聞けましたが上位3銘柄は同じでした(順位はちがいましたけど)。出光さんはもちろんランクインしています。

この先は、出光の合併が発表されたので2銘柄になっちゃうのかな。ってことは、あと一つは合併相手ですね。

残りの1つはゴリラくんがCMに出ています。

 

そうそう。ガソリンメーカーの看板上がっているからと言って鵜呑みにしてはまだダメです。補充に来るタンクローリーにちゃんとメーカーロゴが入っているかどうかまで確認してくださいね。

 

かなり長く書かせて頂きましたが、調子良くバイクに乗れる一助になれば幸いです。決してガソリンメーカーの優劣をつける内容ではありませんのでご理解ください。