みなさま今晩は。連日の雨と真冬並みの気温で体調を崩されたりしていないでしょうか。バイク業界は見事なまでに天気に翻弄されてしまいますので、早くスッキリ晴れて欲しいものです。
さて、今日は予期せぬトラブルのお話。
普段、車検や定期点検以外のメンテナンスは気にされていますか?
車検のある排気量なら2年に1回しっかりとしたメンテナンスを行えますが、250cc以下の排気量にお乗りの方は定期点検を受けていますか?
それよりなにより、バイクに乗ろうとした時、その状態を気にしているでしょうか。エンジンを掛けていきなり走り始めるというのは大問題です。
エンジンの暖気運転はエンジンを長持ちさせる大切な儀式であるとともに、その時間で最低限灯火類やブレーキのチェックをして頂きたいです。特にブレーキランプとテールランプの点灯確認は必ず行ってください。ブレーキランプが点かないのは追突されてしまう危険性が非常に高くなります。テールランプは走行中は自分から見えないので切れていても気づきにくい箇所です。
ブレーキは取り付けボルトが緩んでいないか、フルードが漏れていないかをチェックしてください。エンジンがかからないというトラブルはまだいいんです。走れないから危なくないんです。危険なのは走り出したバイクが止まらないことです。
チェック自体は慣れてしまえば難しい事ではありませんので、チョット気にしてみてください。チェックの仕方がわからない場合はいつでもお気軽に相談ください。また、バイクを保管している場所にオイルや冷却水のシミが無いかも気にしてください。
普段気を付けているにもかかわらず起こってしまうトラブルもあります。走行中に聞き慣れない音がしたり、いつもと違う振動があったら減速したり停車してください。
今回入庫した車両は一つ間違えば大惨事になってしまったかもしれないトラブルなので、皆様もお気を付けくださいとの注意喚起からオーナー様の許可を得て掲載させていただきます。
高速道路走行中、車両下部から‘カーン!’という金属音が1回。
何だろう?石でも当たったかな?と思いながらもちょっと減速。
その後何かが擦れるような音と振動が。
‘路面か?’と思い車線変更するも変わらず。
これは車体に間違い無い!と更に減速。
タイミング良くSAまで4km程だったのでゆっくり走って行き車体を確認してみると・・・。
スプロケ側のベアリング破損によりハブがガタガタになってしまい、スプロケットを留めているボルトとスイングアームが干渉してしまっていました。
僅か4km程の走行にもかかわらず、スイングアームがここまで削れてしまっています。
ハブが遊んでしまったためホイールにもダメージが。ハブダンパーは熱で溶けて変形していました。
ホイールのベアリングトラブルでの入庫は過去にもありますが、スプロケ取り付け部のハブベアリングトラブルでこんなことになってしまうというのは初めて見ました。
通常、タイヤ交換時や車検・定期点検時にはハブベアリングの異音や異常振動はチェックしますが、それで完全に安心という訳ではありませんので、ある程度の距離や年数で交換する必要があることも念頭に置いてお乗りください。
また、異常を感じたらすぐに減速・停車するよう心がけてくださいね。